最近の英語教育について、特に中学生を持つ保護者の方から「一体どうなっているの?」「自分たちの時代のほうが分かりやすかった」と戸惑いや不安の声を聞くことが増えています。
ニュースや調査でも、中学英語の平均点の低さや授業の負担増が取り上げられ、大きな議論を呼んでいるのが現状です。
実際に、いま浮上している課題を整理すると、大きく2つに分けられます。
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まず一つ目は、小学校と中学校の英語教育の“橋渡し”がうまくいっていないことです。
学習指導要領の改訂によって、小学校で扱う語彙や文法は飛躍的に増加しました。その結果、中学ではかつて高校で扱っていたような内容まで含まれるようになり、負担のしわ寄せが中学生に集中しています。
授業のスピードについていけない子が急増し、実際に定期テストの平均点が40点台という学校も珍しくありません。
そして二つ目が、単語や文法の学習から長文読解への橋渡しが不十分であること。
あまり表には出ていませんが、こちらも大きな問題を抱えています。
一般的に、英語学習の手順としては、単語や文法を一生懸命覚えて、その次に長文読解に入ります。
現に高校受験を控えている中3生は、夏まで一生懸命単語や文法に取り組んでこられたのではないでしょうか。
しかし本番は長文読解がメイン。英語の模擬試験を受けては、時間の足りなさに愕然としてる子も多いと思います。
なぜ一生懸命単語を覚えて文法学習をやっても、試験に対応できないのでしょうか?
それは現行の学習は、単語と文法を押さえた後、(英文を日本語の語順になるように文の後ろから訳していく)返り読みの方法を学ぶためです。
返り読みは、読むのに時間がかかることがとにかく難点。当然、長文になればなるほど対応が難しくなります。
今は小学生から単語と文法を学び英検対策をする子供たちも多いですが、この学び方で進んだ場合、 最初はスイスイ英検に受かったのに、長文のボリュームが増える2級あたりから全く歯が立たなくなるのはそのせいです。
実は現在の高校・大学入試は、長文読解がメインです。
特に大学共通テストでは、センター試験時代に比べ読解量が1.5倍以上に増えています。
では、どうすればいいのでしょうか?
それは英語を英語の語順のまま読む力をつけること。
文章量の多い長文読解を速く・正確に読み取ることがゴールである、ということをしっかり認識することです。
ここで有効なのが、「英語多読」です。
英語多読アカデミア生徒が、ここまで結果を出せているのは、まさに返り読みをせずに英語を前から理解する練習を徹底しているためです。
このようなお話をすると「単語も文法も分からない子に多読は無理では?」と心配される方もいます。
しかし、そこは大丈夫。小学1年生でもやっていますし、最年少は年中さんから取り組んでいます。そのため英単語がほとんどわからない中1からのスタートでも全く問題ありません。
ただし注意したいのは、一般的な英語多読では効果が出にくいということ。
皆さんがイメージする英語多読では、好きな本を次々と読むことを推奨されます。いわゆる乱読。
英語学習に楽しさや知的好奇心の刺激を含めて進めるスタイルですが、英語初心者の小中学生の場合、この方法だとまず伸びていきません。
では「具体的にどう進めればいいの?」と気になりますよね。
次回は効果的な多読の進め方についてお話ししてみたいと思います。どうぞお楽しみに。

