既存の多読教材と英検の間を埋める挑戦

先日、英検多読コースについてご案内したところ、複数の方からお問い合わせやご質問をいただきました。

そこで今日は、新コースを開発した理由について、もう少し詳しくお話ししたいと思います。

英語多読アカデミアでは、これまで長年にわたりORTを中心とした多読指導を行ってきました。

実際に多くの子どもたちがORTを通して英語力を伸ばし、当初の想像以上の成果を上げてきました。特別な英検対策をしなくても英検に合格する生徒が増え、英語を話せるようになる生徒もたくさん育っています。

一方で中・高校生には、小学生とは異なる学習環境があることも見えてきました。

小学生は1年後、3年後を見据えながら、じっくり英語力を育てることができます。

しかし、中高生は

・学校の定期テスト
・高校受験
・英検

など、評価を受ける機会が短いサイクルで繰り返し訪れます。

多読学習というものは、テストや英検で効果を実感できるまでに時間がかかるという特徴があります。

そのため、実を結ぶまでの期間が長くなるほど、継続が苦しくなってしまうケースが少なくありません。

だからこそ、中学生から英語を始めた生徒でも、早い段階で学習効果を実感できる教材の開発に踏み切りました。

新コースで使用するAcademia Readersは、ORTの考え方を土台にしながら日本の中高生に合わせて設計した教材です。

海外の多読教材は、英語を英語のまま身につけるという点では非常に優れています。しかし、日本の学校英語や英検とは、学習する語彙や文法の順番が一致していません。

そこでAcademia Readersでは、「既存の多読教材と英検教材の間を埋めること」をコンセプトに掲げました。

学校で学ぶ文法。
英検で頻出となる語彙。
過去問を分析して見えてきた重要表現。

それらを英検級ごとに整理し、多読図書全体に配置しています。

しかしそれだけでは市販の参考書や教科書と変わりません。

Academia Readersには、ORTから受け継いだ大切な考え方があります。

それが、「一貫した物語」です。

同じ登場人物。
同じ学校。
同じ世界。

なぜ物語教材の学習効果が高いのかというと、認知的な負担を抑えられるためです。

認知心理学では、人が一度に処理できる情報量(ワーキングメモリ)には限界があることが知られています。

例えば、説明文や一般的な英語絵本は、読むたびに登場人物や場面設定、テーマが変わります。そのたびに状況を理解し直す必要があり、限られた認知資源の一部が背景理解に使われます。

一方、一貫した物語では、登場人物や世界観が継続するため、状況理解に必要な認知負荷が徐々に小さくなります。その結果、語彙や文法、英文の語順処理といった英語そのものの学習に認知資源を集中でき、より効率よく英語力を身につけることができます。

英語多読アカデミアでは、ORT多読で大きな成果が生まれてきた理由の一つも、この「一貫した物語」にあると考えており、Academia Readersでもその考え方を受け継ぎました。

このように、英検級ごとの重要単語・文法を徹底分析し、一貫した物語の中に配置するという、大きなチャレンジを経て完成したのが、この多読教材です。

主人公はアメリカの中学生4人。

ページをめくるたびに、海外の中学生の日常をのぞいているような楽しさも味わえるように作り上げました。

 

英検多読コースはこの春からスタートしましたが、生徒たちは非常に順調な成長を見せてくれています。

今後は受講生の様子などもご紹介して参りますので、どうぞお楽しみに。

興味がある方はぜひ体験レッスンにお越しください。